最近、職場で「自分が年上だから、こうしなきゃいけない」という考えに縛られていませんか？実は、その考えが「マルハラ」と呼ばれる問題を引き起こしているのかもしれません。
そんなマルハラの基本から原因、解決策までをわかりやすく解説します。
1マルハラとは何か？
マルハラの基本的な意味と概念
マルハラとは、「世代間のコミュニケーション不足から生まれるトラブル」を意味する言葉です。具体的には、年齢や価値観の違いから、お互いの言動や行動を理解し合えずに、トラブルや軋轢が生まれてしまうことを指します。
いつからマルハラという概念があった？
マルハラという用語は、2010年代後半から日本で広まり始めました。高齢化社会の進行や、若者と中高年層の価値観の違いが表面化したことで、世代間のコミュニケーション不足が社会問題として認識されるようになったためです。
誰が言い出した？
マルハラという言葉を最初に提唱したのは、2016年に株式会社リクルートが発表した「マルチ・ジェネレーション白書」です。この白書の中で、世代間の葛藤を表す新しい造語として「マルハラ」が登場しました。
マルハラがなぜ広がったのか、どのような社会的背景があるのか？
マルハラが広がった背景には、以下のような社会変化があります。
少子高齢化の進行により、年齢層の偏りが顕著になったこと
価値観の多様化と世代間の価値観ギャップの増大
情報技術の発達により、世代間の交流機会が減少したこと
職場や地域コミュニティでの世代間の軋轢が目立つようになったこと
これらの社会的変化により、世代間の理解不足が拡大し、マルハラが大きな問題として認識されるようになったのです。
マルハラを引き起こす原因と背景
年齢間のギャップが生む「言葉の壁」
マルハラの主な原因の1つが、世代間の言葉の違いによる「言葉の壁」です。高齢者と若者では、使う言葉や表現、コミュニケーションのスタイルが大きく異なります。
例えば、高齢者は敬語の使い方が丁寧で堅苦しい一方、若者は略語やスラングを多用する傾向があります。また、高齢者は間接的な物言いを好む一方、若者は直接的で簡潔な表現を好みます。このような言葉の違いから、お互いの意図が正しく伝わらず、誤解や不快感につながりやすいのです。
中高年が陥りやすい「上から目線」
マルハラの背景にあるもう1つの要因が、中高年層の「上から目線」の意識です。
中高年層は、長年の経験や知識、地位などから「自分のほうが正しい」と考えがちです。若者に対しては、「まだ分からない」「経験が浅い」といった上から目線の態度で接してしまい、若者を不快にさせてしまいます。
また、中高年層は「若者は尊敬の念を持って接してくれるべき」といった固定観念を持っていることも問題です。この意識から、若者の言動に過敏に反応したり、威圧的な態度をとってしまうのです。
若者の受け止め方は？
一方、若者側もマルハラの問題に敏感で、中高年層の言動を過剰に受け止めがちです。
若者は、中高年層の「上から目線」の発言や態度を、「ばかにされている」「偉そうだ」と感じ、反発したり不快感を抱きます。その結果、中高年層への警戒心や反発心を強めてしまうのです。
特に、中高年層が若者の価値観や行動様式を理解せず、「若者は駄目だ」といった一方的な意見を述べると、若者は深く傷つきます。このような体験が重なると、ますます中高年層への不信感を募らせていきます。
ばかばかしい！くだらない！うざい！という意見も
さらに、マルハラに関しては、「ばかばかしい」「くだらない」「うざい」といった否定的な意見も少なくありません。
マルハラは、確かに些細なことから生まれるコミュニケーション上の問題ですが、決して軽視できる問題ではありません。
なぜならば、このような「ばかばかしい」と感じる人の中には、マルハラの背景にある世代間の意識の違いを理解できていない人も少なくないからです。
世代間の違いを理解し、互いの立場に立って考えることが大切です。そうすれば、マルハラという問題に対してより建設的な解決策を見出すことができるはずです。
実用的なマルハラ解決策
マルハラに遭遇した際の具体的対策とアドバイス
マルハラという問題を解決するには、お互いの立場を理解し合い、建設的なコミュニケーションを取ることが大切です。そこで、マルハラに遭遇したときの具体的な対処法をご紹介します。
まずは自分の心を鎮める
マルハラは相手の意図的な攻撃ではなく、ただの誤解や世代間ギャップによるものが多いことを認識しましょう。
相手の言動に動揺せず、冷静に対応することが重要です。感情的にならずにいられるよう、深呼吸など気持ちを落ち着かせるテクニックを活用しましょう。
相手の立場に立って考える
相手の年齢や経験、価値観の違いを理解しようと努めましょう。相手の言動の背景にある事情を推し量ることが解決への近道です。
自分の意見を押し付けるのではなく、相手の気持ちを丁寧に聞き出すことから始めましょう。
建設的な対話を心がける
「~ですね」「~だと思います」など、穏やかな言葉遣いを心がけましょう。
相手を非難したり、自分を正当化したりするのではなく、互いの意見を尊重し合える雰囲気を作りましょう。
最終的な解決策は、双方が納得できるものでなければなりません。
ケースバイケースの対応が重要
マルハラは状況によって様々な形で現れます。一概に同じ対応をするのではなく、その場の状況に合わせて柔軟に対応することが重要です。
相手の性格や関係性、これまでのやり取りなども考慮しながら、最適な対処法を見つけ出しましょう。
これらの対策を意識的に実践することで、マルハラの問題を建設的に解決することができます。世代間の相互理解を深めながら、お互いを尊重し合えるコミュニケーションを心がけましょう。