太陽光発電パネルの設置義務化はいつから?どこの県で?なのでしょうか。特に新築を考えているあなたは気になりますよね。その点をご紹介します。
結論
東京都は国に先駆けて進めてはいるが、国も方針は固めつつあり、もろもろの準備をへて10年後くらいまでには義務化が行われる可能性がある。
【東京都の場合】新築一戸建てに太陽光義務化
東京都の設置有識者検討会は5月11日、一戸建て住宅を含む新築の建物への太陽光発電のパネル設置を義務付けるよう提言する答申案をまとめました。
都は、これを月内に正式に取りまとめた後、パブリックコメントなどの過程を経て2020年の年度内に関係条例の改正案を都議会に提出する予定だそうです。
一戸建てへの太陽光パネル設置を義務付け条例が成立すれば、全国で初めてとなる。
です。
小池百合子知事は以前既に温室効果ガスの排出量を「2000年比で半分にする」という、国の姿勢を上回る目標を掲げていて、一戸建てへの義務化が不可欠としています。
この答申案によると
一戸建てを含む延べ床面積2000㎡未満の建物について建物の購入者ではなく、大手住宅メーカー約50社(中小規模の建物供給量が都内で年間2万㎡以上の企業)に設置義務を課す。
ということです。
諸条例等が成立すれば、2022年秋頃以降に義務化が本格化するようです。
その他の都道府県は?
それでは東京都以外の都道府県の場合は、この太陽光パネル設置の義務化に関しどのような状況になっているのでしょうか。
太陽光パネルの設置費などが上乗せされると、住宅価格の値上がりにつながることから、群馬県や京都府の同種条例では一戸建てを対象外とし、政府が国会に提出中の建築物省エネ法改正案でも設置義務化は見送りました。
政府は太陽光パネルの義務化について2021(令和3)年8月10日に「検討する」という方針を示しました。
これは「2030年までには新築住宅の6割に太陽光パネルを設置することが目標」ということで、有識者の検討会で大筋は了承され文書に盛り込まれました。
ただ、これは「検討され始めた」だけであって、実際のところはいつから義務化されるかなどの詳細はまだ決まってはいません。
諸々の法整備や補助金制度の整備などを考えると実現は2031年頃になると予想されています。
というわけで、大方の予想通りに進んだとしてもおよそ10年の余裕がありますので、一戸建ての戸建新築を考えている方は、今から少しづつお金を貯めて太陽光パネル設置の費用の準備もできるといういうことですね。
あくまで上記の通り「太陽光パネル設置の義務化」は「個人ではなく、事業者に対して」です。しかしながら当然戸建住宅の価格のその分が上乗せされる可能性が十分ありますので、心構えをしておくに越したことはないでしょうね。
太陽光パネルの設置状況
一般財団法人・太陽光発電協会が2021年10月に発表した資料によると
10kw未満の住宅用太陽光パネルの導入件数は
2012年7月~2013年の年平均27.2万件に対して
2017年~2020年は年平均14.3万件にまで下がっています。
このように設置率が下がった理由は
売電価格が値下がりしたため
です。買取制度が始まった2009年においては売電価格は1kWhあたり48円でしたが、それ以降は各年ごと1~2円ずつ下がっていて、2021年の売電価格は、1kWhあたり19円になっています。
2022年も売電価格は下がることが決まっていて1kWhあたり17円になります。売電価格が下がった最大の理由は
太陽光パネル設置費用が安くなった
ためです。この売電価格というものは太陽光発電の設置費用を目安に計算されています。
太陽光パネルの普及とともに設置費用が低減され、メーカー各社の価格競争も加わり、その結果として合わせるように売電単価も下がっきたという次第です。
「売電単価も下がっているのに、太陽光パネルを設置しないとはけしからん。理由が分からない!」と思われる方も多いのではないでしょうか。大枠や基本方針は固まっているとはいえ詳細はまだまだこれから、なので今後の成り行きを注視する必要がありようですね。