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生活情報

賃貸物件の原状回復はどこまですればいい?トラブル防止策は?

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賃貸の場合原状回復はどこまですればいいの?

「原状回復」と言われると、入居当時の状態にまで完全に戻すことだと思っている方もいるかもしれませんが、実はそうではありません。

だいぶ以前ではありますが最高裁判所において

原状回復は入居時の状態に戻すのではない。自然に生活をしてできた損傷や汚れなどは貸借人(入居者)が負担する必要はなく、賃貸人(大家)が敷金の中で支払うべきである

という判決が下っています。また、国交省が定めた「ガイドライン」もそのような考え方に沿って策定されたものです。

さらに東京都も「賃貸住宅紛争防止条例」という条例を2004年に施行しました。

これは通称「東京ルール」などとも呼ばれ、その趣旨は

国交省がガイドラインを示したけれど、それでも退去時などのトラブル件数が減らなかったので、もっと周知徹底しよう、というものです。

ですから内容自体は国交省のものとほぼ同じものです。

 

どこまでが入居者の負担になる?

それでは、実際にどのような部分が

「普通に住んでいればできて当然の汚れや損傷」

という入居者側の負担になるものではなく、どのような部分が入居者の負担に該当するのでしょうか。

東京都が2018年に発行した「賃貸住宅紛争防止条例&賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」では、その点について以下のように書かれています。

トラブル防止策は?

退去時のトラブルを防ぐためには
入居の契約する際に契約書と同時に渡される重要事項説明書に書かれている内容を確認しましょう。

例えば

専門業者を使って掃除をするための費用○円を敷金から差し引きます

という内容が書かれて場合があります。

その場合、言われるままに契約して後になってから「これを全部負担する事は納得いかない」と思っても、もう遅い可能性があります。

なぜなら、多くの賃貸契約に付いている、このような場合に関する「クリーニング特約」については裁判所の判例でも有効か無効かに判決がわかれているからです。

特約がついている場合は、内容を把握して、その上で納得できるものかどうかを考え、疑問に思った場合は確認しましょう。

例えば「ガイドライン」には

壁に開いた穴は何cmまでなら問題はない

というような具体的なことまでは記載されていません。

ですので、不明な点や納得のいかない点はは契約前に一通り確認しておくことが重要なのです。

あと、可能であれば契約書と重要事項説明書を事前に受け取って読んでおくとより良いでしょう。

 

入居前に部屋の隅々までチェック!

内見時や入居前におススメなのが、傷やシミ等があるかのチェックです。

もしもそれらが部屋にあったら、写真を撮って不動産業者側と情報共有をしておきましょう。

例えば、レンタカーを借りる時は車に傷や凹みなどがないか乗って出発する前に確認しますよね。それと同じことです。

もしもの時も、写真を撮っておけば入居後に不動産管理会社が変わっても証拠として提示できるので安心です。

※最近では不動産会社や大家さんが住んでいる途中で変わることも多くなっているんですよ。

 

原状回復に関するトラブルになりやすいポイント

 

壁紙(クロス)

壁掛け時計などを壁にかける際に画鋲や釘を使うケースがありますよね。
壁紙に関して注意が必要なのは、その際に画鋲や釘などで開けた小さな穴です。

国交省のガイドラインにおいては画鋲や釘くらい穴なら「通常損耗の範囲」とされています

ただ、ポスターやカレンダーなどをたくさん壁に画鋲で貼り付けていると通常損耗とはみなされない場合もあります。

最近は、傷がついたり汚れたりしないようににはがせる壁掛けなどもあるからできるだけそのようなタイプのものを使うことが良いでしょう。

また、天井や壁のクロスでトラブルになりがちなのは、焼肉などの調理の煙やタバコによる汚れと臭いなどです。

天井の場合は特にフローリングとは違って、掃除がしにくいこともあって汚れや臭いがそのまま残った状態な場合があります。

そのようなケースは転出の際に天井の掃除が必要になるかもしれないボーダーラインになる可能性があるので注意しましょう。

また、タバコや子供の落書きなどによってできた壁や天井のクロスの汚れや変色は、原状回復で負担する必要が生じる一方、自然の日光による変色については経年劣化の範囲として負担なしとなります。

 

床やフローリング・カーペット

フローリングやカーペットは、汚れや破損のための原状回復の負担が発生する可能性が高くなります。

例えば

  • ペットの爪痕が広範囲についている
  • 床のタイルの上に物を落として割った

場合などは原状回復負担が発生していしまいます。

特にフローリングやカーペットについては「一部だけ張り替え」ということがなかなかできないので費用が高額になる可能性もあります。

 

しかしながら

  • フローリングワックスの剥げ
  • 家具を置いていた場所のへこみ
  • 家具を引きずった時にできた小さな擦り傷

などは通常損耗の範囲となります。

 

キッチン・風呂・トイレ

水回り部分はカビや水垢が発生しやすい箇所ですので、掃除がどこまでできているかによって負担度合が変わります。

「誰がどうみてもひどく汚れている」場合だとクリーニングする必要があるのので、原状回復の費用が発生します

この場合の基準は判断が難しいのですが、日常的にきれいにしていて、常に掃除をしておけば、だいたいの場合は問題ありません。

でも、シャワーや便座などの器具の破損がある場合は原状回復の負担が生じることがあります。

最後に原状回復が必要になった場合の費用負担額のおおよその相場をご紹介します。

 

原状回復の費用の目安

ハウスクリーニング費用


1人暮らし用の部屋(1K~1LDK)の場合は15,000~40,000円くらい相場です。さらに広い家族向け部屋などの場合には、もちろんもっと費用がかかります。

 

クロスの張り替え


クロスの張り替えは部屋の広さや張り替えるクロスの材質によりますが30,000~60,000円くらいです。ただしタバコを吸う人が住んでいたなら、張り替えの可能性はさらに高くなります。

 

フローリングの張り替え


フローリングについても金額の相場は広さや材質によって大きく変わりますが、一部だけ張り替えるケースですと5,000~10,000円位になります。

※ペットを飼っているならフローリングの床が傷つきやすいため、住んでいる段階でカーペットを敷くなどの傷のつかないようにするのが良いでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所 入居者負担となるケース 入居者負担にはならないケース
不注意でカギを破損・紛失した 次の入居者のために取り換える
給湯器 間違った使い方で給湯器を破損した 耐用年数が過ぎた給湯器を交換する
壁クロス ●禁煙なのに喫煙して壁にヤニ汚れをつけた
●結露を放置したためにカビやシミが広がった
冷蔵庫などの家電製品の後の壁に黒ずみ(電気焼け)ができた
●キャスター付きの椅子によってフローリングの床に傷ができた
●引っ越し作業中に引っかき傷をつくった
家具を置いていたことによる跡が床(クッションフロアやカーペット)にできた
建具・窓 ペットのニオイが部屋についた 地震でガラスが割れた

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